デイサービス・デイケア・ショートステイ~概要と現状


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在宅介護を受けているらしき高齢のご近所さんが、送迎をサービスする職員に付き添われつつ介護事業所のロゴが入ったバンに乗り、早朝から出かける姿は最近多く見かけますね。


ここでは在宅で介護する家族にとって欠かせない「デイサービスデイケア)」と「ショートステイ」の概要についてご説明します。


まず「デイサービス」ですが、これは「通所介護」とも呼ばれる、在宅向けの介護サービスの一つです。


在宅介護サービスにはいろいろありますが、最もイメージしやすいのはヘルパーさんに自宅に来てもらって掃除・調理・洗濯・買い物・入浴介助などのサービスを受ける、いわゆる「訪問介護(ホームヘルプ)」サービスですね。

在宅介護と介護保険のサービス~外部の力を上手に活用


そして在宅介護に欠かせないもう一つのサービスが、この「デイサービス(通所介護)」です。


早朝から施設で高齢者を預かり、昼食・入浴・簡単なリハビリ・レクリエーションなどのサービスの後に夕方に自宅に送り届ける、日帰りの施設サービスです。もちろん、介護保険の給付対象サービスです。

自宅に閉じこもりがちな本人の気分転換と身体機能の回復、外の社会と触れ合うことによる生活のメリハリづけ、といった目的があります。

在宅で介護に追われる家族が、施設に預かってもらえる間は自分のための時間を取り戻せる、「家族の負担軽減」効果も見逃せません。

家族の在宅介護上の負担と、その減らし方


デイケア(通所リハビリテーション)」も、介護保険が適用される通所型サービスです。

「デイサービスよりもリハビリに特化したサービス」と考えておけばよいのですが、通常はデイサービスでもリハビリを行うので、利用者はそれほど大きな違いを感じないかもしれません。

施設側に一定のスペースや器具設備、機能訓練指導員や医師の配置が必要になるため、「通所リハビリテーション計画」に基づいた計画的なリハビリが行われます。


「デイサービス」「デイケア」は、現在は都市部を中心に、やや供給過剰気味になっています。事業者にとっても一定の需要が見込める割に初期投資が少なくて済み、参入しやすい分野であるからです。


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ショートステイ」はその名の通り、短い一定期間施設に入所して、介護サービスを受けるものです。「短期入所介護」とも呼ばれる、介護保険の適用サービスです。

通常は1週間~10日前後の計画的利用を想定しますが、具体的な日数は「ケアプラン」に基づいて決めていくことになります。

介護保険のはじめの一歩 「要介護認定」と「ケアプラン策定」


介護保険では要介護度によって利用限度額が決まっているため、たとえば要介護3の方と要介護5の方ではショートステイを利用できる日数が異なることにも、注意が必要です。

なお原則として連続利用日数の上限は30日(31日目から介護保険の給付対象外)で、累積の利用日数は、要介護認定期間のおおむね半数を超えてはならないこととなっています。


現状ショートステイは施設数が少なく、予約が困難で急なケースでの小回りが効かないという問題があります。

都市圏では一ヶ月以上前から予約しないと、満杯で使えないことも珍しくありません。ゴールデンウィーク中や年末年始などは予約が殺到するため、特に周到な準備が必要になります。

国もこの問題を改善すべく、特養の静養室や有料老人ホームの空きベッドをショートステイに転用可能にするなどの改善を重ねていますが、まだまだニーズの強さに追いついていないのが現状です。


ショートステイの利用は重度の要介護者や認知症の方が主であり、全国的に強く求められているにも関わらず、専用施設の数はなかなか増えていません。

特養等が食堂など既存の共用設備を使いつつ、ショートステイ用の施設を併設しているケースが大半です。

あらかじめ様々な優遇措置を受けている特養などの社会福祉法人と競争しようとすると、いわゆるホテルコストなどの運営費用面で競争上不利なことから、民間企業の参入が進まないことも一因とされています。


この普及が進まないショートステイの間隙をぬって全国的に急拡大しているのが、俗に「お泊りデイ」と呼ばれる「介護保険外」のサービスです。

これについてはお泊りデイを使う前に~その背景と問題点 でご説明します。


次の記事は「お泊りデイを使う前に~その背景と問題点」です。

ひとつ前の記事は「褥瘡(じょくそう)と予防~施設より高い、在宅介護での発生率」です。


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