在宅介護、「事前の準備」こそが将来の介護負担を大きく減らす


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それまで元気にしていた親や配偶者が突然ケガや病気で倒れ、病院に入院してからはじめて介護を考える家庭が少なくありません。


その後なんとか病状が安定してきた段階で、次の転院先に移るか、あるいは自宅に戻っての在宅介護を始めるかを考えていくことになります(ちなみに転院する場合、病院に設置された医療相談室で、ソーシャルワーカーらのアドバイスを受けながら手続をしていくのが一般的です)。

退院後、在宅介護に移行するときの注意点 もあわせてご参照ください。)


しかし一口に「転院」と言っても、すでに報道などでご存じのように、現状はなかなか大変なものがあります。


現在、一般病院での平均在院日数は19.2日(2006年度)ですし、リハビリ専門の病院(回復期リハビリテーション病院)の最大入院日数も、180日が限度となっています。

最初の病院から運よく他の一般病院に転院できたとして、その病院にいられるのもせいぜい3ヶ月程度。


いわゆる「社会的入院」(治療の必要が乏しいにもかかわらず入院を続ける状態)が国の医療費を圧迫し続けていることを背景として、医療の必要性が低いと判断される患者の診療報酬(入院基本料)は低く設定されています。

そのため、医療機関にとっては、医療の必要性が乏しい患者をいつまでも入院させていては、経営上の死活問題になりかねないのです。


病気の種類や手術の有無、そして入院が差額ベッド代のかかる個室かあるいは相部屋かなどによっても変わってきますが、一ヶ月まるまる入院した場合の費用(自己負担額)は、少なくとも20~30万円程度かかるものと考えたほうがいいでしょう。


国の高額療養費制度を使えるならば使うべきでしょうが、いずれにしても、一ヶ月で数十万円が確実に飛んでいく入院費が本人や家族にとって経済的に重い負担であることは確かです。


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病院が難しいのなら介護施設で・・・と考えたとしても、本人の入院後に病院からすすめられはじめて「介護保険の要介護認定」を申請する家庭も多く(しかも申請結果が降りるまで約1ヶ月かかります)、また仮に入院より前に要介護度の判定を得ていたとしても近隣の施設に空きがなく、数ヶ月から数年の順番待ちとなる、あるいは病院と大差ない金額がかかるような介護施設しか空きがないといったことが判明し、施設入所をあきらめざるを得ないことも珍しくありません。

このような背景から、やむなく在宅介護の道を選ばざるを得ない家庭が非常に多くなっているのが現実です。


当然、在宅介護も施設介護ほどでないにせよ、それなりに経済的負担がかかります。

家計経済研究所の調査によれば、1人あたりの在宅介護にかかる費用の月額平均は6万9千円とのことです。

在宅介護にかかる費用(家計経済研究所)


もちろん長期入院や施設介護に比べ、在宅介護ならではのメリットもたくさんあるのですが、終わりの見えない在宅介護の日々に、何の心の(かつ現実的な)準備もないままに突然放り込まれてしまうと、介護する家族そして介護される本人も大変な思いをするであろうことは、容易に想像できます。


家庭の数だけ在宅介護のかたちも異なりますが、ひとつ言えるのは、「介護の現実に直面するまで無為に過ごすことがいまや大変なリスクとなる時代」に私たちが生きているということです。

将来、介護の可能性があるすべての家庭は、いまの本人・家族の現状・経済的状況に照らして、将来の可能性をさまざまに予測しながら、介護が現実のものとなったときに備え、日頃から情報を収集し、いざというときすぐに行動に移せるよう、一定の準備をしておくべきでしょう。


役所の担当窓口や地域包括支援センター、あるいは地域のネットワークなどにも顔を出して、本人の住む地域の介護を取り巻く状況などをある程度知っておくだけでもずいぶんと違ってくるものです。

さらに将来の遠距離介護が想定されるか、あるいは親の住む田舎に戻るため転職・離職せざるを得ない状況になりそうか。 必ずしも親に関わる準備だけでなく、介護する側の自分たちの生活設計の変更に備えなくてはならない場合もありそうです。


このように「備えあれば憂いなし」のことわざどおり、在宅介護が楽になることは無いにせよ、将来を見据えた事前の準備が、家族の介護負担を大きく減らしてくれることは十分に期待できるのです。


次の記事は「認知症の高齢者介護、早期治療のために家族がすべきこと」です。

ひとつ前の記事は「在宅介護と介護保険のサービス~外部の力を上手に活用」です。


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